川口市のピアノ教室の田中です。
今日はピアノのペダルについて書きたいと思います。
グランドピアノにはペダルが3本ついています。
右側はダンパーペダル
音を響かせたり、なめらかに繋げたりするときに使います。踏み方は、右足のかかとを付けて足の裏で包み込むように、足の角度は少しハの字にすると踏みやすいです。タイミングは、鍵盤を押している状態でダンパーペダルを踏み込むレガートペダルや、同時に踏み込み響きを増大させたり、踏み込む深さで強弱をつけたりと様々なペダルの踏み方があります。
真ん中はソステヌートペダル
響かせたい音だけ残すことが出来ます。左手の跳躍するベースの音など残したい音がある時に使います。普段はあまり使いません。
左側はシフトペダル
シフトペダルを踏むと、鍵盤が右側にズレて打つ弦の本数が減ります。それにより音がソフトになり、音色に変化が生まれます。楽譜にuna corda(ウナ・コルダ)と書いてある所は左側のシフトペダルを踏みます。
ドビュッシーやラヴェルを弾いているとウナ・コルダがよく出てきます。響きのニュアンスの違いを楽しむのもピアノの魅力です。
私の師匠はよくペダルの踏み方を丁寧に教えて下さいます。作曲家によってもペダリングが違い、ベートーヴェン、ショパン、ラフマニノフ…と曲が変わればペダリングも違うのです。習得する為に、響きに耳を傾けてコツを掴めるよう何度も練習します。
こういった響きを作る練習はグランドピアノでないと思うような練習は出来ません。私は自宅のグランドだけでなくよくスタインウェイが置いてあるスタジオを借りて練習します。環境を変えて練習するといつもと違った見方が出来てお勧めです。
よく本番で緊張のあまり、右側のダンパーペダルと真ん中のソステヌートペダルを間違えて踏んでしまう方がいらっしゃいます。ご本人は緊張のあまり気づかないようですが、明らかに響きが違うので聴いている人は気づきます(笑)本番前は本番の時の靴を履いてペダル位置を確かめて練習するのをお勧めします。
リハーサルがあるときはペダルの確認もしておくと良いと思います。ピアノによってペダルの感覚がかなり違います。私も本番前は必ず響きを確認します。
自宅のピアノ練習でスリッパを履かずに長時間ペダルを踏んでいると、ストッキングやタイツの右足の裏だけすぐに穴が開きます…(笑)
あとは、楽譜に書かれているペダルマークは信じない方が良いです。作曲家が書いたとは限らないからです。もし作曲がかいたとしてもペダルはあくまでも響きを作るものなので、微妙なニュアンスの違いが出てきます。先日のレッスンでもショパンのワルツを弾いている中学生が楽譜通りに踏んでいて直した方が良かったのでアドバイスしました。
最近の悩みは、オンラインレッスンだとペダルの指導が難しいことです。出来ないことはないのですが、画面越しなので響きを作る指導が難しいです。イメージを言葉にして伝わるよう努力しています。
エレクトーンの先生もベースがオンラインだと聞こえづらいとおっしゃっていました。
ピアノのペダルは奥が深く、個体によっても違うのでかなりの経験がないと即座に反応するのが難しいと思います。
私もまだまだこれからも勉強していきたいと思います。